看護師 栄養管理

高齢者の栄養管理と栄養剤について


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充分な栄養が摂れていないと床ずれを起こすリスクが高くなります。患者さんの状態を見極め、予防の段階から「経口(口から栄養を摂る)」→「経腸(腸に直接栄養を入れる)」→「静脈(静脈から栄養を注入する)」といった順番で栄養の摂り方を選んでいきます。

 

低栄養状態の患者さんには、不足している栄養素をどのような方法で栄養補給を行うのが最適なのか、経路をを含め選択することが必要です。上記のような経路により栄養を摂る方法が異なりますが、この経路によって使える栄養剤のタイプが分かってきます。

 

【看護師の知識】高齢者の栄養管理と栄養剤について

 

まず、第一に経口摂取(口からの栄養補給)ですが、食べ物が認知され、口・のど・食道を通って胃に至るまでの過程や食べる事の機能に問題がある場合には、他の経路を選ばなければなりません。最初の段階としては、消化管の機能が正常かそうではないのかを見極めていきます。

 

消化管が機能している場合は、経腸栄養(腸に直接栄養を入れる)を行います。経腸栄養のを実施するとともに、消化・吸収機能の評価も行い、評価に応じた栄養剤を選び、消化・吸収機能が低下している場合には、消化態栄養剤や成分栄養剤を使います。

 

反対に機能が正常であれば、一般的な食品・半消化態栄養剤を使用します。ただし、糖尿病や腎疾患用などの病態別栄養剤が必要な患者さんの場合には、病態別栄養剤の使用も考慮しましょう。腸管閉塞や腹膜炎などで消化管が使えない場合は、静脈栄養(静脈から直接栄養を注入する)を実施します。

 

長期間の使用が考えられる場合は、太い鎖骨下の静脈や大腿静脈より中心静脈栄養を行い、反対に短期間で済む場合は、腕などの細い末梢静脈から
栄養を投与する末梢静脈栄養を選択します。

 

どの栄養補給法でも、栄養状態に改善が見られたら、「経腸」の場合は「経口」、「経腸」と「静脈」を併用していた場合は「完全経腸」、「静脈」の場合は「経腸」というように、患者さんの状態を見ながら段階的に経路の変更を検討し、患者さんの状態に適した栄養補給方法を実施していきましょう。

 

次に、経腸栄養剤・栄養補助食品について説明します。

 

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経腸栄養剤

 

@成分栄養剤…主に糖類・アミノ酸・脂質・電解質・ビタミンなど全ての成分が化学的に明確にされているものからできている人工的な栄養剤です。消化液の分泌がなくても吸収される為、腸管に負担をかけずに栄養摂取ができます。下痢などを起こしやすくなるので、濃度調整や投与速度の調整が必要な場合もあります。

 

A消化態栄養剤…成分栄養剤同様、全ての成分が化学的に明確にされたもので構成されています。粉末製剤と液状製剤があり、消化過程を必要とせずに吸収されます。吸収率は、成分栄養剤よりも良く、チューブ閉鎖のリスクも低く経管投与に適した栄養剤といわれています。

 

B半消化態栄養剤…たんぱく質が完全に分解されずに配合されている為、吸収には多少の消化過程が必要です。栄養価が高く、バランスも良いので、消化機能が正常または障害が軽度の患者さんに適しています。浸透圧が低く下痢を起こしにくく、脂質も充分摂取でき長期間投与しても脂肪酸欠乏症が起きにくいといわれています。粉末製剤と液状製剤があります。        

 

C半固形化栄養剤…固形に近い形状で、胃・食道逆流や栄養剤の漏れ、下痢などの液体栄養の問題点を改善するために開発された栄養剤です。寒天・多糖類・ペクチンなどがよく使われており、短時間投与が可能です。介護者の負担軽減や床ずれ発生・悪化の防止、床ずれを発症した患者さんの投与に効果があります。

 

 

栄養補助食品

 

必要な栄養素の中で、不足しているものを補うことを目的とした食品です。主に、たんぱく質・微量元素・水分を補います。栄養が不足してしまうと、体力が落ちるだけではなく床ずれの発生原因にもなりますので、バランスのとれた食事・栄養補給が重要です。

 

また、床ずれを発症してしまった場合でも不足した栄養を補ってあげることが、治癒への近道にもなりますので、床ずれの状態だけではなく栄養状態のチェックも必ず行いましょう。



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