看護師 ドレッシング材

ドレッシング材を選ぶ時の秘訣とは?


. このエントリーをはてなブックマークに追加  
.

ドレッシング材とは、聞きなれない言葉かも知れませんが、簡単に言うと褥瘡(床ずれ)をピンポイントで治療する為のものです。潤いを保ち、効果によっては床ずれを起こしてしまった局所の治療環境を形成することが目的とされています。ただし、治療の過程によっては保険の適用が違ってくるので、注意が必要です。

 

【看護師の知識】ドレッシング材を選ぶ時の秘訣とは?

 

ドレッシング材には、色々な種類があり、褥瘡(床ずれ)の状態を大きく4つに分け、使用するものを選択します。

 

@予防的措置…ポリウレタンフィルム・ハイトロコロイド
A真皮に至る創傷用…キチン・ハイドロコロイド・ポリウレタンフォーム・ハイドロジェル
B皮下組織に至る創傷用
 標準型:ハイドロコロイド・ハイドロジェル・キチン・アルギン酸塩・ハイドロファイバー・ハイドロポリマー・ポリウレタンフォーム
 異形型:ハイドロコロイド・ハイドロジェル
C筋・骨に至る創傷用…ポリウレタンフォーム・キチン

 

上記のように、傷の状態や褥瘡(床ずれ)の深さによって使い分けを行い、傷が自然に良くなっていき、最適な湿潤環境(傷を乾燥させずに治療する)を整えて、
治癒を促進させることを目的とした場合に使用します。ポイントとしては、褥瘡(床ずれ)の状態を正確に見極めることです。傷の状態・深さ・傷の場所を的確に見極め、全身状態も合わせて診断を行います。

 

スポンサーリンク

 

また、患者さんの気持ち・人生の質や充実度といったものも治療においては重要なことになります。ドレッシング材の選択目安としては、傷の状態が浅く真皮層内にとどまっているか、皮下組織から深部組織まで達している深い傷かということです。傷が浅い場合は、褥瘡(床ずれ)面の観察ができ、吸水性のあるもを選択します。

 

傷が深い場合は、傷の表面からしみ出てくる「ジクジク」した透明や黄色みがかった液の状態と傷の深さから、傷から出てくる液を吸収できるものを選び、「ジクジク」した液が少なくなってきた段階で、保湿性の高いものに変えていきます。保湿性の高いものに変える理由としては、ドレッシング材の交換によって新しくできた組織や表皮の損傷を防ぐということがあります。

 

せっかく、順調に傷が治ってきたとしても、新しくできた組織や表皮が壊れてしまっては、傷の状態が元に戻ってしまい、治療が進まなくなってしますからです。傷口に感染が認められた場合は、まずは感染を抑える治療を優先して行います。

 

 

また、表面からは見えない皮膚の下にポケットのように広がっている穴洞状の傷がある場合は、傷の深い部分のジクジクとした液を吸収する必要がある為、傷を乾燥させずに治療を行う湿潤環境を維持できる異形型を選びましょう。

 

ドレッシング材は、褥瘡(床ずれ)発生要因である摩擦などから仙骨部(お尻の間)・かかと・坐骨などの皮膚を褥瘡(床ずれ)から守る目的で使用することもあり、褥瘡(床ずれ)予防・管理ガイドラインでは、皮膚の生理機能に支障がないポリウレタンフィルムや摩擦係数の低いハイドロコロイドのようなドレッシング材を使用します。

 

 

次に、ドレッシング材の分類と主な用途についてご紹介します。

 

ポルレタンフィルム

水蒸気や酸素が通ることができるポリウレタン製の透明フィルム。傷からジクジクした液がほとんど出ていない状態で、皮膚の一部が赤く炎症を起こす発赤や水膨れのような水疱の保護や摩擦による褥瘡(床ずれ)の予防に使う。また、便・尿による皮膚汚染の予防に使用したり、アルギン酸やハイドロジェルなどのドレッシング材を固定する為の二次ドレッシング材としても使用する。

 

 

ハイドロコロイド

水になじみやすいポリマーと水になじみにくいポリマー(親水性ポリマーと疎水性ポリマー)で構成された傷から出てくるジクジクした液を吸収しゲル化するもの。適度な湿潤環境(傷を乾燥させずに治療する)を維持することができる為、ゲル化によってかさぶたの下にある桃色の粒状の盛り上り(肉芽)が壊れず傷を保護する役割もある。

 

水分・細菌・酸素を遮断する為、低酸素状態を保つことができ、肉芽組織が増殖できる。ジクジクした液が少なく、真皮から皮下組織までの皮膚欠損してしまった傷に使う。

 

 

ポリウレタンフォーム

吸収性に優れ、ハイドロセルラー構造によって傷の湿潤環境(傷を乾燥させずに治療する)を保つことができ、治療を促進させる。ゲル化しないことにより、ドレッシングが溶けたり傷の表面に汚れやカスを残すことがないので、かさぶたの下にある桃色の粒状の盛り上り(肉芽)を損傷することがない。

 

ジクジクした液が多く出ていたり、びらん、真皮から筋・骨に達するような深い傷、ポケットのある傷の時に用いる。

 

 

ハイドロゲル

ポリビニルビロドリンなどの水になじみやすい親水性ポリマーを含んだ、70〜90%以上が水で構成された製品。傷の湿潤環境(傷を乾燥させずに治療する)を保つことができる。自己融解を促進させる効果があるので、壊死した組織を取り除くことができる。

 

水分を多く含んでいることから、冷却作用があり炎症やズキズキ痛むような疼痛を和らげる効果もある。ジクジクした液が少なく、固い壊死組織が残っているような傷や乾燥状態の傷に使う。

 

 

ハイドロファイバー

傷から出てくるジクジクした液を吸収しゲル化する。細菌を含む液を内部に捕まえることができる。ジクジクした液の吸収性が非常に高く、傷周囲の皮膚をふやけさせることを防げる。水になじみやすい親水性ポリマーを含んだ繊維を使用することにより、横への広がりを抑え形状が崩れにくい特徴がある。ジクジクした液が多い場合や壊死組織のある傷・感染の疑いがある傷に使用する。

 

 

キチン

カニやエビなどの甲殻類の殻からアミノ多糖類を抽出しシート状にしたもの。親和性が高く、鎮痛・止血効果があり、治癒を促進する。吸収性に優れ、傷の湿潤環境(傷を乾燥させずに治療する)を保つことができる。ジクジクした液が中量〜多量の場合使用する。

 

 

ハイドロポリマー

小さな穴の集まりのような多孔構造をもつ水になじみやすい親水性ポリマーは、吸水性に優れ、比較的多くのジクジクした液が出ていても使うことができる。ジクジクした液を吸収すると、ポリマーが傷の形に合わせて膨らみ、傷口にフィットする。ジクジクした液が中量〜多量の場合使用する。



このエントリーをはてなブックマークに追加