重症患者 急変リスク

重症患者さんの急変リスクが高く不安な場合


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循環器系の疾患や重症の患者さんの場合、吸引によって容態が急変する場合があります。生体を傷つける可能性の高い吸引においては、循環動態にも影響を及ぼすことがある為、吸引したことによって患者さんの容態が急変してしまうのでは?と心配になることがあります。

 

開放式吸引の場合、吸引中は無呼吸状態になる為、低酸素の傾向がある患者さんへの処置は、さらに低酸素化・呼吸状態の悪化を招いてしまいます。

 

【看護師の知識】重症患者さんの急変リスクが高く不安な場合

 

例えば、術後の場合、循環動態が安定していない状態で吸引を行うと、迷走神経反射(ストレス・痛みなどの刺激により脳幹血管運動中枢を刺激し、心拍数低下・血管拡張による血圧低下などを引き起こす反応)が起こり、一気に血圧が低下してしまうことがあります。

 

また、緊張性気胸では、咳をしただけで循環動態が変動してしまうこともあります。このようなことから、吸引は看護師にとって、とても緊張を強いられる処置の一つで、吸引による容態急変のリスクが高い疾患や病態、状態などの観察ポイントを把握しなければなりません。全ての注意事項を頭に入れ、適切な対処・説明・観察により客観的に把握できるようにしましょう。

 

 

また、万が一、患者さんが急変してしまった場合でも適切に対応できるようにしておくことも重要です。吸引による容態の急変リスクが高い疾患を把握しておくことは、吸引ケアを行ううえでとても大切です。吸引には絶対禁忌(絶対にしてはいけないこと)がない為、適切な処置であれば実施の判断を下せます。

 

ただし、命にかかわるようなリスクの高い場合は、医師に相談・判断のもと行い、予測される急変事態に対応できる準備を行うことも重要です。

 

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吸引時のリスクに注意したい疾患

 

  1. 循環器疾患(吸引刺激が循環動態に大きく影響する)→心不全・解離性大動脈瘤・心筋梗塞・狭心症・心臓手術後不整脈など
  2. 呼吸器疾患(低酸素の悪化が懸念される)→呼吸不全・気胸・COPD・肺がん など
  3. その他→脳神経疾患全般・頸椎損傷・感染拡大の危険性があるMRSA・真菌性肺障害など

 

吸引中は、人口呼吸器・心電図モニターや顔色など、様々な観察が必要です。一回の吸引操作ごとにチェックを行います。経皮的酸素飽和度モニターには、数十秒〜数分遅れて変化が現れる場合もあるので、より注意した観察が必要です。吸引中に患者さんの状態やモニターなどに異常を感じたら、すぐに吸引チューブを抜き、直ちに吸引を中止して下さい。

 

その後、すぐに他の看護師の応援を呼び、医師に連絡・対処を行うようにして下さい。吸引ケアは、患者さんにとってとても辛い処置です。患者さん本人はもちろんですが、家族の方の協力も大変重要です。看護師の説得は聞き入れてくれなくても家族の言うことは聞き入れてくれる場合もあります。

 

 

また、好きな音楽をかけたり、患者さんのお気に入りのものを用意したりすると、スムーズに吸引ができたりします。日頃の観察や家族の方の情報をもとに、患者さんがリラックスできる環境を作ってあげるのも一つの方法かも知れません。



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