認知症 吸引処置

認知症の患者さんが吸引処置を嫌がって身体で抵抗する場合


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よく、認知症の患者さんで吸引処置を嫌がる方がいます。理解力がある患者さんと違って、協力してもらうことが難しくなります。認知症というのは、物忘れもそうですが理解力も乏しくなったり、想像もつかないような行動をとったりする場合もよくあります。ですので、吸引の必要性や処置の内容を理解してもらうこと自体大変な作業になります。

 

吸引できることになっても、手で払いのけたり、抵抗することもあるので、対応に困ってしまうこともあります。

 

【看護師の知識】認知症の患者さんの吸引処置

 

また、認知症の症状で日内変動というものがあります。一度は「吸引してもいい」と了解を得られたとしても、数分後・数時間後には「そんなことは言っていない」と嫌がって口を開けてくれなかったり、全身で抵抗するということも起こります。

 

また、患者さんの安全の為に2人がかりで吸引を行うこともあります。1人は患者さんを抑えて、もう1人が吸引を行うというスタイルです。確かに、患者さんの身体を抑えて行えば、確実に吸引はできるかも知れません。

 

しかし、抑えられた患者さんからしてみれば、身動きも取れない状態で処置をされたという強い恐怖心が残ってしまいます。そうした医学的背景と倫理的な観点を考えると、認知症患者さんへの吸引の必要性や客観的に評価することは大変難しいのです。

 

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認知症の患者さんだからといって、何の説明もなく処置を行うことはできません。理解を得るのが難しくても、必ず吸引を行うことを説明しなければなりません。患者さんのタイプ・特徴を考えながら、分かりやすい言葉やハッキリとした声で説明を行います。患者さん本人では、どうしても理解・協力が得られない場合は、家族の方々に予め説明を行い、同意を得ることも必要でしょう。

 

最初は吸引にとても抵抗があったとしても、一度吸引によって症状が楽になったと患者さんが感じてくれれば、次に吸引を行う時はスムーズに受け入れてくれるかも知れません。それはなぜかというと、正確・迅速な手技で苦痛を最小限にしてあげることがポイントです。

 

認知症でなくても、痛かったり、苦しかったりと苦痛に感じれば次に同じ処置を行う時、怖いもの・嫌なものと思ってしまうのも当たり前です。苦痛を最小限にしてあげれば、恐怖心も少なくなり受け入れる体制をとりやすくなるということです。必要な物品を準備し、途中で中断することのないよう処置に臨みましょう。

 

 

また、口を開けてもらえない場合には、指交叉法や開口器を使って行います。吸引チューブを使う場合は、細小サイズのものを使うと苦痛が緩和され、患者さんへの負担を減らすことができます。口腔からの吸引は、吐気などを誘発する可能性もあるので、鼻腔からの吸引の方が安全かも知れません。

 

ただし、必ず患者さんの状態を見てから判断して下さい。先に述べたように、身動きが取れない状態で吸引されることに対して患者さんはとても恐怖を感じています。患者さんが落ち着ける環境を整え、不安や恐怖心を軽減させてあげることが重要です。患者さんの立場にたって考え、お互いの信頼関係がなくては不安や恐怖心といったものを軽減させることはできません。日々、患者さんの様子を観察し心の交流を重点に置いた会話を行うように心掛けていきましょう。



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