鼻腔吸引 手順

鼻腔吸引の手順を確認しよう


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○まず準備しましょう

  1. 吸引の必要性を評価します。
  2. バイタルサイン(*)や呼吸状態、SpO2(血中酸素飽和度)、咳の有無などから評価を行います。
    *バイタルサイン(Vital signs)とは「生命維持に必要な兆候」という意味で、医療での人についてのバイタルサインとは、血圧、脈拍,呼吸、体温の4つを言います。これに意識レベルを付け加えることもあります。

     

  3. 必要な物品の準備をします。
  4. 吸引装着、吸引用チューブセット、万能つぼ2個、減菌手袋、医療用の手袋、医療用のマスク、ビニールエプロンと必要に応じて目を保護するための道具、アルコール綿、新鮮な水道水、必要であれば他の医療機器でジャクソンリースというものを準備する。吸引チューブの太さは10Fr(3.3mm)で長さは40cmにします。

     

    *Fr(フレンチ)はフランス式の太さの番号、1Frは3/1mm,12Frは4mm。吸引装置の吸引圧を設定します。

     

  5. 患者さんに説明します。
  6. 患者さんの不安を軽減し、強力を求めるためです。また、鼻血が出る具合を確認し、鼻腔内に分泌物が貯まっていたら除去します。また、場合によっては体位俳痰法を実施します。

 

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○実施です。

 

  1. 感染対策
  2. 手指を衛生学的に手洗いし、完全に近いくらいに消毒して、標準的な予防策で感染防止をします。装着は、医療用のマスク(必要に応じて目を保護する器具等)、ビニールエプロンまたはガウン、医療用の手袋の順番におこないます。

     

  3. 吸引チューブの開封
  4. 吸引チューブの袋を開けたら、無菌操作で、絶対に周辺の物に触れないように注意して行います。注意すべき事は、小さな入れ歯も外しておくことです。万が一、気道に入ったら危険です。抜けそうな歯は他の歯と結ぶなどしておきます。

     

  5. 減菌手袋の着用
  6. 利き手に減菌手袋を着用します。これ以降、清潔さを要求される操作は利き手で行う。このとき、減菌手袋がセットされた吸引チューブを使用するなら、利き手で減菌手袋を取り出し、反対の手で手袋の端を支え、利き手に手袋を重ねてはめる。医療用の吸引チューブは、チューブと減菌手袋がセットになっているものが多い。

     

  7. 吸引用チューブの接続
  8. 利き手で吸引チューブを取り出し、吸引器のホースに接続します。このとき、吸引チューブの端が他の部分(不潔野)に触れないように十分注意します。

     

  9. 吸引圧・吸引状態の確認
  10. 吸引チューブで万能つぼから新鮮な水道水を吸引し、吸引圧と吸引状態を確認します。吸引圧は20kPa(圧)以下に設定することが原則です。粘膜の損傷を防ぐためで、圧が高くなると気道粘膜を傷付ける可能性があります。

     

  11. 患者さんへの説明
  12. 吸引直前にもう一回、患者さんに吸引することを説明します。開放式吸引チューブを挿入する際に、屈曲させる必要はありません。屈曲による効果は認められていません。屈曲した状態で挿入すると、気道粘膜へ圧力がかかり、損傷を与える危険性があります。安全性を重視すべきです。

     

    ただし、臨床結果では、屈曲した場合と屈曲しない場合の差は、ごくわずかなので、屈曲して挿入することが、一概に間違った方法とはいえません。

     

  13. 吸入チューブの挿入
  14. 圧をかけないで吸引チューブを鼻腔に挿入します。吸引チューブの先端が鼻腔の壁の上部に当たった感覚がしたら、そこでチューブを少したるませるとスムーズに気道に入りやすい。これがコツです。目安として鼻腔入り口から15〜20cmほど、先端が気管分岐部に当たらない位置です。奥までいれても痰が出やすくなるわけではありません。

     

  15. 吸引する
  16. 吸引圧をかけて痰を吸引します。このとき、吸引チューブを指先でクルクルと回すと吸引圧が一ヶ所に集中し、粘膜への吸着を防ぐことが可能です。また、吸引時間は1回7〜10秒程度です。酸素化が悪い人の場合は、7秒以内にします。

     

    吸引チューブを抜く時は、酸素化の低下度を注意します。酸素化が悪い人の場合は、吸引により悪化する場合もあります。医師に相談して、吸引前の酸素吸入量を一時的に上げる方法を確認します。

     

    また、吸引の際は、患者さんの表情やチアノーゼ(血中酸素の欠乏により、皮膚や粘膜が青黒くなること)の有無、心電図等を確認しながら行います。

     

  17. 吸引後の取り扱いの評価
  18. 吸引チューブを抜いた後は、患者さんの呼吸状態や吸引物、鼻血の有無などを確認します。吸引の終了を患者さんに伝え、吸引前の患者さんと状態を比較し、気道の確保を確認します。

     

  19. 終了後のチューブの取り扱い
  20. 使用したチューブは、アルコールで洗浄し、万能つぼの水道水を吸引して内部を洗浄したら、空の万能つぼにいれます。コツは、吸引チューブをホースから外した後に、親指に巻いておくことことです。こうすると、万能つぼに入れる際に汚染が広がりにくいです。また、その場でエプロンや手袋を外します。

     

    高齢者やチューブを入れにくい患者さんの場合、吸引チューブが届いたものの、1回の吸引で痰の排出が不能な場合には、吸引チューブをそのままにして、吸引圧を解除します。

     

    そして、患者さんに咳、あるいは酸素を吸入してもらい酸素飽和度が回復したら、吸引を再開して痰を取り除きます。ただし、すでに気管内にチューブ等で気道確保をしている患者さんは低血圧を起こす可能性があるので、この方法は絶対禁止です。



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