吸引 痰

いくら吸引しても痰が引けてこない


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大事なことは吸引で取れない痰もあることを確認することです。

 

痰の位置と性質・状態をできるだけ見極めることです。聴診して音が聞こえたからといって、全ての痰が吸引できるわけではありません。主気管支にあるか、人口気道の末端周辺にある痰は吸引できます。主気管支の先や肺の末端に溜まっている痰は、吸引によって取ることは不可能です。

 

【看護師の知識】いくら吸引しても痰が引けてこない

 

さらに、痰がたまっている位置だけでなく、端の性質・状態によっても引けない場合があります。粘り気が強く硬い痰です。鼻からの吸引の場合では、吸引チューブが鼻の粘膜に当たってしまい適切な位置まで届いていないと、吸引できません。

 

そのためには、痰のある個所にチューブを挿入できる技術や腕前が要求されます。音だけで判断せず、吸引できるかどうか総合的に判断しましょう。 まず、第一に実行すべきことは、副雑音などから吸引できるかを見極めることです。総合的に吸引が必要だと判断したら、次は、吸引できる痰かどうかを確認します。副雑音の聴取、胸郭への触診などから痰がたまっている位置を判断します。

 

もし、ガー、グーといびきのように低く連続し、吸気で大きく、呼気で小さくなる音が聞こえたら、気管支腔内に粘り気の強い痰がたまっている可能性があります。また、吸気時に大きなブツブツ、ブクブクという低調で粗い断続性の音がする場合には、中枢気道にある可能性があります。

 

中枢気道に痰がある場合は、聴診だけでなく、咳をしてもらうといい。咳をすると気道と痰の間を空気が通過し振動する。胸郭に手を当てると振動として伝わり、痰のたまっている位置を確認できます。

 

第二に実行すべきことは、痰の粘り気の程度を判断・評価することです。痰が吸引できる範囲内にあっても引けないときには、痰の粘り気の程度を判断します。
脱水の有無、皮膚の状態、検査データ、水分バランスなどから痰の粘り気の程度を判断し、粘り気が高い場合は水分補給、加湿などで痰を柔らかくしてから吸引します。

 

逆に痰が引けない位置にたまっているときは、体位変換あるいはハッフィングなどで痰を主気管支まで移動させ、その後に吸引します。

 

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※ハッフィング

 

複式呼吸後、ゆっくり深呼吸し、声を出さずに、「ハッ、ハッ」と強く短く、呼気を吐き出すこと。以上のような方法で痰を吸引できない場合には、酸素不足により状態の悪化が予測される場合は、気管支鏡での排痰や去痰剤の使用を医師に相談します。

 

<痰のたまっている個所を把握する触診法……看護師さんのスキルアップです>

 

呼吸時に胸の上がりに左右差がある場合、運動低下側の気管支がふさがっている可能性があります。両手を胸に当てて左右差を確認します。痰がたまっている場合には、呼吸によって痰が振動します。患者さんに大きく呼吸してもらい、その際、触診によって痰の位置と、たまっているかどうかの確認ができます。

 

「うまく引けた!」という吸引は全体の1〜2割程度です。

 

経験豊富な看護師であっても、「いい場所に上手く入った」と実感できるのは、実は10回に1〜2回程度です。人口気道であれば、比較的楽に挿入できます。

 

しかし、自然気道の場合だと、手の感覚だけが頼りですから、吸引は難しい手法です。しかも鼻からの吸引の場合、鼻の粘膜の壁にチューブが当たり、適切な位置までチューブを挿入できないことが多いのです。そのために思っているほど引けないと感じます。チューブは気管支の奥まで入り過ぎても、逆に手前過ぎても、充分に痰を引くことはできません。

 

好位置に吸引チューブを上手く導くことができれば、確実に痰を引くことができます。実行すべきことは、痰が引けるときの音をよく聞くことです。呼吸音を聴取しながら、痰のたまっている位置を確認します。痰が引ける位置に届いたら、吸引開始です。このとき、痰が吸引チューブに入る微妙な音の変化によって、そこが痰の引けるポイントであるかどうかが分かります。

 

そのポイントが見つかったら、その周辺でチューブをすこしずつ上下させます。



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