COPD 病態生理

COPD(慢性閉塞性肺疾患)における病態生理について


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慢性閉塞性疾患とは、肺の末端の気道に慢性的な炎症が生じて気道が狭くなたり、肺胞が破壊されガス交換ができなくなるために、十分な換気量が得られない状態が起こる疾患です。

 

肺の換気がうまくいかない(過膨張)になると、息を吸い込む力が減少します。この状態が継続し重症化すると、低酸素血症に抗炭酸ガス血症を伴う疾患(U型呼吸不全)に至ります。なお、炎症を起こした気道や破壊された細胞は、時間の経過で自然に治ることはありません。

 

【看護師の知識】COPD(慢性閉塞性肺疾患)における病態生理について

 

○注意したい症状としては

  1. 呼吸困難・・・初期には自覚症状があまりなく、悪化に伴い出現。酸素投与中であれば、CO2ナルコーシス(二酸化炭素による麻酔状態)でないか、脈拍上昇や意識レベル低下でないかに注意する。
  2. 感染・・・風邪やインフルエンザなどの感染症が急性憎悪のきっかけになる。
  3. 体重減少・・・食欲不振や呼吸補助筋の運動量の増加による消費エネルギーの増加による。体力低下は急性憎悪の要因になる。BMI値20を目安に。

 

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●主な治療法

 

根本的な治療法はありません。早期発見で悪化を防ぐことは可能です。禁煙、気管支拡張薬による薬物療法が中心となります。さらに、呼吸リハビリテーションを組み合わせます。悪化した場合には、吸入ステロイド剤を使用し、重度の酸素低下となった場合は、在宅酸素療法またはNPPV(患者に不安を与えない呼吸療法)が適用になります。

 

急に悪化した時は、気管支拡張薬の吸入を行います。高度の気流閉塞がある場合は、全身性ステロイドの投与、また、膿性の痰が認められたら抗菌薬を投与します。ただし、意識レベルが低下したり、呼吸停止など重症の場合には、ただちに人口呼吸器管理となります。

 

 

<コラム>COPDと慢性呼吸不全の違い

 

COPDの場合、ゆっくりと息を吐き出して、深く息を吸うと換気の効率が良く、呼吸が楽になります。苦しい場合は、深呼吸をするよう指導します。

 

しかし、慢性呼吸不全の場合には、肺が硬くなっている人もいます。この場合、呼吸が楽になるのは、頬呼吸を行ったときです。誤って深呼吸をすると逆に息苦しくなります。両者を混同しないことが大事です。

 

 

○SpO2が低下する原因

 

それは、換気不良の継続による、日常的な低酸素傾向です。その症状が進行すると、労作時に呼吸困難を起こし、トイレや食事など日常の行為だけで、SpO2は低下します。

 

 

○それにどう対応するか

 

COPDにおいては、日頃から、患者さんの体の動きとSpO2の低下を把握しておくことが大事です。入院後1〜2日間に、基本的な日常生活時のSpO2の変化を確認します。

 

例えば、トイレや食道まで移動するなど、体を起こすなど、行動開始前にナースコールしてもらい、その前後のSpO2の変化を記録し主治医の支持を受けます。例えば、ポータブルトイレによる排泄時にSpO2が低下するとしたら、その対応としては、ポータブルトイレを使用する時のみ酸素流入量を増やす、または、患者さんの容態が安定するまで床上排泄にするという2つの方法があります。

 

これは、患者さんの年齢や、寝たきりにならないようにするなどいろいろなケースがあります。酸素流量は主治医の指示によります。患者さんの活動前に、どの程度の酸素流入量で楽になるか、看護師がその目安をあらかじめ確認し、その数字を主治医に伝えておく。それによって、適切な流入設定ができます。

 

また、COPDの患者さんは酸素の過剰投与でCO2ナルコーシス(二酸化炭素による麻酔状態)を起こす可能性があるので、労作終了時には必ず酸素の流量を元に戻すことも大切です。呼吸状態の改善には、他に口すぼめ呼吸や複式呼吸なども効果的です。



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