看護師 血液ガス

血液ガスデータで呼吸状態を確認しよう


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血液ガスデータが示すもの

 

動脈血が十分に酸素を含んでいると、呼吸状態は正常です。つまり、動脈血中の酸素や二酸化炭素の成分の状態により呼吸の状態を判断できるというわけです。これが血液ガス分析です。次は、皆さんのお手元にある血液ガス分析データです。

 

【看護師のスキル】血液ガスデータで呼吸状態を確認する際の注意点

 

  1. PH:水素イオン濃度
  2. PaO2:動脈血酸素分圧
  3. PaCO2:動脈血二酸化炭素分圧
  4. SaO2:動脈血酸素飽和度
  5. HCO3:重炭酸イオン

 

AとCからは「酸素化」が、Bからは「換気」、Dからは「代謝(腎機能)」@からは「酸塩基平衡」がわかります。ここでは、主に呼吸の状態を示すABCについて説明します。

 

APaO2(動脈血酸素分圧) 酸素化の能力の表現です。この値が高いほど、血液中の酸素の濃度が濃いことになります。高齢になるに従って低下します。

 

「105−0.3×年齢」がその平均値で、正常値の目安です。

 

ただし、これは仰臥位(あおむけに寝た場合)の場合で、座位(すわった場合)で測定した場合、「105−0.4×年齢」になります。

 

BPaCO2(動脈血二酸化炭素分圧) 肺の換気能力および二酸化炭素を排泄する能力です。この値が高いほど二酸化炭素が滞留中であり、排泄されず、低換気の状態です。逆に、値が低い時は、換気をし過ぎているわけで、過換気と言います。

 

CSaO2(動脈血酸素飽和度) 血液中のヘモグロビンが酸素との結合度を示しています。
酸素の多くは、ヘモグロビンと結合して全身に運ばれるので、Aと同じく酸素化のめじるしです。

 

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血液ガスデータから見る呼吸不全

 

呼吸不全という病気を血液ガスデータから読み取ります。酸素濃度21%の室内気を吸入したとき、PaO2が60Torr以下の場合、呼吸不全と診断されます。
この状態が1ヶ月で、慢性呼吸不全です。呼吸不全には、T型とU型があります。T型は、低酸素血症のみの病態で、PaO2は60Torr以下でPaCO2は45Torrを超えないのが正常値です。

 

U型は、低酸素血症に高炭酸ガス血症が伴っている病態で、PaO2は60Torr以下,PaCO2が45Torr以上です。換気能力の不足(酸素不足と同時に二酸化炭素の排泄不調)というわけです。T型に多いのは、肺炎などによる急性呼吸不全、U型に多いのは、慢性呼吸不全やその悪化した状態、神経筋疾患の呼吸不全です。

 

 

SaO2とSpO2の違い

 

SaO2も酸素化のめじるしとして大切です。SaO2は、血液中のヘモグロビンと酸素の結合したもので、PaO2によって規定されます。そのため、PaO2とSaO2には、一定の関係があり、それは酸素解離曲線というもので表示されます。

 

これらの測定には、動脈血の採血が必要ですが、患者さんに苦痛を与えます。そのため、臨床検査では、バルスオキシメーターというという測定器で酸素化の状態を測定し、酸素飽和度を見ます。この測定器は、センサーを皮膚に当てて測定するので、経皮的動脈血酸素飽和度といわれます。

 

SaO2のa(動脈血)がp(経皮的)に置き換わり、「SpO2」と表記されます。SpO2はSaO2とほぼ同じ数値です。SpO2の酸素解離曲線からPaO2の数値を確認できます。そのため、日常の酸素の変化はSpO2からチェックしています。

 

 

ただし、SaO2は、酸化ヘモグロビン(酸素と結合したヘモグロビン)と、還元ヘモグロビン(運んでいた酸素を放出したヘモグロビン)のほかに、メトヘモグロビン(酸素を運ぶことのできないヘモグロビン)、一酸化炭素ヘモグロビンも測定して、酸素飽和度が算出されます。

 

しかし、SpO2では、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの測定だけです。そのため、一酸化炭素中毒の患者さんの場合には、SaO2が正常より低くても、SpO2が正常値になることがあり、要注意です。また、SpO2は、バルスオキシメーターの装着状態や患者さんの体の動きなどで測定値が変化することがあります。



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