コンビニ医療のさらなる助長

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コンビニ医療のさらなる助長

 

地方の病院が抱える問題を解決するのは本来、地方議会が行うべき仕事だが、政府と同様に何らの工夫も見られない。昨今では、小児科医療の無料化が自治体に広がりつつある。これによって、さらなるコンビニ医療の加速化が起こるだろう。

 

後期高齢者医療制度が昨今批判を浴びているが、元はと言えば、老人医療無料化が73年に行われ、全国の病院が老人たちのサロンのようになってしまったということに1つの要因がある。この改革と同じ時期に取り入れられたのが、老人以外への高額療養費制度である。

 

原則としての3割負担にこそ変化はなかったが、医療費が月に3万円以上かかった場合にはその超過分を全額保険によって負担することとなったのだ。この政策によって、72年の時点で3兆3900億円だった国民医療費は、翌年改革の実施されると5兆3700億円にまで膨れ上がった。

 

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識者の中には、日本の医療制度の道を誤らせた原点は老人医療費の無料化だという者も少なくない。病院サイドや医師会はなぜか無料化を大歓迎した。出来高払いだった当時、患者には何らの経済的な負担もなかった。検査漬け、薬漬けという医療行為を行えば行うほど彼らの収入は増えていった。

 

当然ながら、小児科が無料となれば365日24時間、些細な軽傷であっても救急患者として搬送されてくる可能性は高くなる。もちろんこれによって看護師や医師の過重労働はより深刻さを増す。その下地にコンビニ医療の蔓延という問題がある中で、無料化のメスを小児医療にまで刺し込めば、老人医療費無料化と同じ失敗を繰り返しかねない。

 

議会の中には、医療現場の実情を理解することなくただ単に患者の要求を代弁しているところも多い。医療に十分通じた地方議員を選ぶことも地域住民の使命なのだ。「欧米ではこうなっている」「法的にはこうなっている」といった説明はその場しのぎには有効だが、現状を十分に踏まえていなければ、いずれは崩壊する。



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