病院の「たらい回し」は、なぜ起きる?

病院の「たらい回し」は、なぜ起きる?


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一刻を争うのが、救急患者の治療である事は言うまでもない。いざとなった時には119番の救急車が頼りになるわけだが、命綱ともいえる救急病院による所謂たらい回しが全国的に発生している。病院はなぜ患者を拒むのであろうか。

 

周産期医療と同様に、救急病院にも1次、2次、3次がある。下痢や風の発熱などの軽傷者を扱い、在宅の当番医や休日夜間急患センターが担うのが1次救急である。2次救急は手術や入院の必要な重症の患者を扱っており、輪番病院や救急告示医療機関がこの役目を担っている。

 

病院の「たらい回し」は、なぜ起きる?

 

心肺停止をはじめとした、生死にかかわる症状を扱う救命救急センターなどが担っているのが3次救急である。重篤の患者を治療する3次施設から軽傷までを幅広く見ているER(1次救急)までを備えている東京都立墨東病院は近年、駆け込み寺と化している。

 

 

東京や大阪などの都市部においては、2次救急病院が患者を拒むことが増えているためだ。産科とともに、小児科の救急医療が危機に直面している。全国各地で小児2次救急を受け入れる病院が閉院しているのが原因である。所謂コンビニ診療に対応できていないという理由もある。

 

構造的に低採算となるのが小児科だが、その理由として挙げられるのがコスト高と1人あたりの診療報酬の低さである。子供を対象とした場合には体への影響を考慮して注射やレントゲン、点滴は極力行わない。また、薬が処方されるということもない。

 

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その反面、手間のかかった診療が必要となるため、看護師が多めに必要になる。こうした構造があるがゆえに閉院に追い込まれる病院が後を絶たないのである。ここ10年で救急車による患者の搬送は200万人増えているが、決して重症の患者が劇的に増えているというわけでもない。救急車を呼ぶ必要のない軽傷者がその大部分である。

 

自らが安心したいために大病院への搬送を望み、上述の墨東病院のような一部の病院に集中的に患者が送られ、勤務医にはとても大きな負担がかかっている。救急車の配置数は全国で約5700台である。出動の回数は年間で500万件前後を記録し、救急病院に指定されている緊急指定病院約4770か所に応急患者が搬送されている。

 

119番通報後、救急車が現場に走行し到着するまでには平均で6分30秒かかる。救急隊が(救急救命士1人が乗った3人一組)東京には227隊あり、多くの命をつないでいる。

 

病院の「たらい回し」が起こる本当の理由



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