看護師 高齢患者 血糖値

高齢患者さんの血糖コントロールがうまくいかない時


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高齢の患者さんの血糖コントロールがうまくいかない理由には次のような場合が考えられます。

 

  1. 加齢による機能低下や変化
  2. 高齢者特有の身体・生活状況に応じた指導を受けていない
  3. 若いころから糖尿病を患っている
  4. 認知症を発症している

 

高齢者の場合は、加齢に伴う腎機能の低下による薬物排泄の遅延と低血糖に注意しなければなりません。

 

【看護師の知識】高齢患者さんの血糖コントロールがうまくいかない時

 

腎機能低下による薬物排除の遅延に対する対応は、腎排泄型や長期作用型、血糖低下作用の強い薬を使う場合は、少ない量から投与し、徐々に量を増やすようにします。

 

 

また、低血糖については、低血糖を起こしやすい条件を踏まえて、投与時・投与後の観察を慎重に行う必要があります。薬剤による重症低血糖は、シックデイを発症することが多いので、対処法を指導しておくことも重要でしょう。低血糖の判断材料以外に、高齢者特有の訴えや症状がないかにも注意しなければなりません。

 

高齢者の日常的な血糖管理の目標値は、空腹時血糖値140r/dl未満、HbA1c7.0%未満、糖負荷後2時間血糖値250r/dl未満とされています。糖尿病合併症の発症・進行抑制の観点から、成人と同じ正常値まで改善することが望ましいでしょう。

 

75歳以上の場合は、日常生活の質や充実感の低下、意識レベルの低下、入院を必要とする低血糖の発症、脱水、糖尿病性昏睡の発生を防ぐことが治療目的となり、HbA1cを6.5%以下にし、高血圧や脂質などを改善させることが求められます。

 

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ただし、高齢者特有のさまざまな理由から上記のようなことが困難だと判断された場合は、高齢者独特の目標値が設定される場合もあります。網膜症あるいは微量アルプミン尿症がある場合、厳格な血糖コントロールが必要です。血糖コントロールが維持できない場合には、合併症の発症・進展の有無を定期的にチェックしていくことが求められます。

 

食事療法としては、高血糖。高脂血症、肥満の改善が第一となります。高齢者の栄養バランスが「たんぱく質が減り炭水化物が増える」「味覚が鈍くなる為、塩分を摂りすぎてしまう」「歯が少なくなったり入歯の為、噛む能力が低下する」「自分の食べ物・飲み物の好みを変えにくい」などの食事傾向があることを理解したうえで食事療法を取り入れます。

 

パンフレットを使ったりしながら分かりやすく丁寧に説明することが大切でしょう。運動については、代謝異常の改善以外にも、生命予後(病気の経過や寿命)、
大血管症の予防、ADL(日常生活の動作がどれくらいできるか)の維持などに有効です。

 

 

しかし、骨・関節疾患・虚血性心疾患・肺疾患・腎疾患・増殖網膜症・骨粗相症などの疾患がある場合は、その疾患の症状や状態や検査所見の推移などを見ながら慎重に実施するようにして下さい。高齢の糖尿病患者さんの特徴は、成人期から糖尿病を発症し高齢になった人と、高齢になってから糖尿病を発症した人と2パターンあります。

 

成人期から糖尿病を患っている場合は、罹病期間(病気にかかっている期間)が長いことから合併症も重篤な状態に進行していくことが多くなります。

 

さらに、他の病気が合併している場合もあります。疾患的な特徴としては、食前血糖値は変化しないのに、食後血糖値が上昇してしまうことが特徴的に見られます。加齢により、膵β細胞が弱くなり、インスリンの初期分泌が遅れ低下してしまうということです。

 

 

また、治療の中断・不良の高齢者特有の理由もあります。加齢に伴う、運動機能・内蔵機能・感覚機能低下・精神機能の変化が糖尿病の進行・治療に影響します。「眼が悪くて薬剤名や注射器の目盛、パンフレットや説明書きが見えない」「聴力障害(耳が遠くなる)により、指導内容がよく聞こえない」「歯や胃腸の調子が悪く、食べ物がきちんと消化されない」「認知力(もの忘れなど)が低下し、自己管理ができない」「味覚の変化で好き嫌いが変わったり、食欲がなくなる」など様々な要因が考えられます。

 

特に、認知症の患者さんの場合は、家族に対する指導が重要で、在宅での負担軽減のために、訪問看護などを活用することを検討することが必要になります。
様々なタイプの患者さんがいる中で、一人一人に応じた適切なケアや指導を行うことが大切です。現在、高齢化社会となりお年寄りの糖尿病患者さんは急増しています。男女ともに60歳代と70歳以上の糖尿病患者が増えており、特に70歳代の増加が多く見られます。

 

これは、インスリン分泌量の低下や、筋肉量の減少と内臓脂肪の増加によるインスリン抵抗性の亢進などが原因だと考えられています。若い時からメタボ対策や適度な運動を取り入れ、高齢者になっても糖尿病を引き起こさない身体作りを心掛けたいですね。



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