看護師 低血糖

患者さんが低血糖を起こしてしまった場合


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糖尿病患者さんの場合は、食事の内容や量・時間、投薬などで血糖値のコントロールをしています。生活環境の変化により誘発されてしまうのが「低血糖」です。食事の時間がいつもより遅れたり、炭水化物が少なかったり、お酒を飲んだり、いつもよりたくさん運動を行ったりすることで、低血糖状態になってしまいます。

 

また、インスリン製剤や血糖降下薬の種類・量を間違って摂取してしまっても当然、低血糖を引き起こしてしまいます。発症のタイミングもだいたい決まっており、当日かその日の夜、または、翌日の早朝といった具合に、容態変化の時間帯の目安となりますので、注意深く観察を行いましょう。

 

【看護師の知識】患者さんが低血糖を起こしてしまった場合

 

経口薬の中でも、低血糖の危険があるものと、危険がないものがあります。危険があるものは、SU薬・速効性インスリン分泌促進薬というお薬。危険がないものは、ビグアナイド薬・インスリン抵抗性改善薬・α-グルコシダーゼ阻害薬・DPP-4阻害薬です。低血糖を引き起こしてしまう可能性のあるお薬を使っている患者さんの場合には、自分がどんな薬を服用しているのかきちんと理解してもらう必要があります。

 

 

また、どんな状態で・どんな状況で低血糖が起こりやすいか、低血糖を起こしてしまった時どう対処すればいいのか、患者さんが納得できるまで説明することが重要です。お薬の中には、薬自体(GLP-1受容体作動薬(ピクトーザ))に低血糖の危険性がなくても、SU薬を併用すると低血糖を起こしてしまう恐れがあります。
このお薬を使う時は、充分な注意が必要です。インスリン療法も同じですが、患者さんにきちんと注意事項や緊急時の対応について、納得するまで説明をすることが大切なのです。低血糖を起こさなようにする対策としては、患者さんに、ブドウ糖を含む食品やジュース類などを常に持ち歩くようにしてもらいます。

 

また、低血糖が起こりそうだと感じた場合は、炭水化物1単位程度摂取すことを事前に説明することが重要です。

 

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<低血糖の対処法と見極め方>

 

低血糖は、糖尿病の治療を行っていると頻繁に起こりやすい症状です。インスリン製剤や経口血糖降下薬などを使って治療をしている患者さんによく見られます。先にも言ったように、患者さんが低血糖を起こしたら早急に糖質を摂取させて下さい。摂取させる糖類は、市販のブドウ糖製剤・角砂糖・ブドウ糖の入った飲料などです。

 

注意したいのは、アメやキャラメル・チョコレートなどは、体内で消化吸収されるまでに時間がかかり、糖の吸収が遅れてしまうので、あまりお勧めはできません。ある患者さんの話では、グレープフルーツジュースを200t程度飲むと、血糖が上がり過ぎずお勧めだという話があります。

 

こちらは、実体験でもありますので、是非実践していただきたいと思います。意識障害などを伴う重症低血糖を引き起こした場合は、病棟での対応として、
最初に血糖値を測定します。低血糖であることを確認できたら医師の指示に従い、50%グルコース注射液を20ml以上を静脈内に投与して下さい。その後、意識回復と血糖値の上昇を確認したら、炭水化物を摂るように促しましょう。

 

 

次に、低血糖の見極めについてですが、血糖値と症状で判断します。血糖値でも見極めは、正常範囲内(60〜140r/dl)より低いかどうかで判断します。目安としては、一般的には60mg/dl未満と定義されていますが、治療が遅れ重症化してしまうと昏睡状態になったり脳機能障害になってしまったりと非常に危険な場合もありますので、臨床では70mg/dl以下を低血糖として対応することが多くなっています。

 

ただし、注意が必要なのは、年齢や性別、生活環境や個人差により低血糖症状が出るボーダーラインが異なる場合もありますので、患者さんの状態を注意深く観察することが重要です。糖尿病の場合、拮抗調節機能が働かない為、糖類を補給しない限り低血糖状態が続いてしまい、さまざまな症状が出てきてしまいます。血糖値の測定ができない場合は、症状から判断しなければなりません。発汗・頻脈・頭痛・意識レベルの低下など、様々な身体症状が現れます。

 

また、場合によっては、このような症状がないまま昏睡状態になってしまうと「無自覚性低血糖」が考えれます。特に、糖尿病神経障害による自立神経障害で交感神経刺激症状が欠如している場合や繰り返し低血糖を発症している場合には注意が必要です。

 

一番注意しなければならないのは、インスリン注射を行っている患者さんの場合です。インスリン注射を行っている患者さんに低血糖が頻発すると、低血糖症状が出現し始め血糖の値が低下する「閾値の低下」につながってしまいます。

 

閾値の低下になると、低血糖に対する自覚が鈍り、低血糖時の拮抗ホルモンの反応も低下してしまいます。閾値の低下を防ぐには、低血糖状態は週に1〜2回程度にとどめることが重要でしょう。

 

 

低血糖時の主な症状

 

◎交感神経刺激症状:発汗・不安・刺激・頻脈・手指振戦・顔面蒼白・など

 

◎中枢神経症状 : 
血糖値50〜70mg/dl程度→頭痛・眼のかすみ・空腹感・眠気(生あくび)・など
血糖値50mg/dl以下  →意識レベル低下・異常行動・痙攣・など
血糖値30mg/dl以下  →昏睡

 

上記の血糖値の値と症状を覚えておくと、緊急時の対応にも役に立ちますので、必ず頭に入れておきましょう。糖尿病患者さんの低血糖は、軽い症状から命にかかわるような重篤な場合もあります。

 

患者さんの様子や状態を日頃から観察することも大切ですが、患者さん自身で対応できる方法もありますので、しっかりと低血糖時の対策や使っているお薬についての説明を充分行い、患者さんとともに緊急時に備えておきましょう。



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