看護師 輸液管理

輸液管理(抹消輸液)の正しい知識を知っていますか?


. このエントリーをはてなブックマークに追加  
.

一般病棟などでも輸液療法を行っている患者さんは、非常によく見かけます。日常的な看護の一環として、輸液管理は位置づけられていますよね。しかし、輸液に関わるヒヤリ・ハット事例は非常に多く、2010年の報告累計数の4割以上を占め、さらにそのうちの1割程度が抹消静脈点滴によるものだとされています。

 

【看護師のスキル】正しい輸液管理の知識を知っていますか?

 

輸液療法は、薬剤が直接循環器系に入るので作用が早く、適切な対処をしないと重篤な合併症になるリスクがある療法だと言えます。輸液療法の目的としては、以下のものがあります。

 

  1. 体液の恒常性の維持
  2. 循環血漿量の回復
  3. タンパクなどの栄養素の補給
  4. 薬剤の投与

 

まずは、どのような目的で行うのかということを把握して、薬剤・用量などに誤認が無いかどうかを確認する必要があるでしょう。以下に、注意点などを記載するので、頭に入れておいてください。

 

 

点滴筒内の輸液量は、半分以下にする。

 

点滴セットの針を輸液バックに差し込んで、内部に入れますが、その時に、点滴筒内の輸液量は半分以下にしましょう。筒内の液が多すぎると、滴下数が数えられません。逆に液が少なすぎると、筒内に空気が混入する恐れがあります。ですから、1/2〜1/3くらいの量がちょうど良いでしょう。

 

 

輸液の準備の際には、ルート内を輸液で満たす。

 

準備段階でルート内を輸液でいっぱいにしないと、空気が入りやすくなってしまいます。血管内に空気が入ることで空気塞栓が生じます。これは少量であれば問題はありませんが、出来る限り無くしましょう。

 

空気が入った場合には、気泡を指で弾いたり、側管から生理食塩水を注入して、気泡を上部の点滴筒内へ誘導するようにします。

 

スポンサーリンク

 

止血は血液が完全に止まるまで行う。

 

留置針を抜くときには、止血が完了するまで抜去部位を押さえましょう。血小板が減少していたり、抗血栓薬を使用している患者さんの場合、止血まで時間が掛かりますから、最後まで確認することが重要です。一度止まったとしても、再出血する可能性がありますから、注意が必要ですね。

 

 

輸液投与中でも、薬剤によりバイタルサインを確認する。

 

一般的な輸液の場合、投与中のバイタルサインの確認はしません。しかし、薬剤によっては、適宜様子を確認する必要が出てきます。昇圧薬や降圧薬などの血圧の変化をもたらす薬剤、不整脈治療薬、鎮痛・解熱剤、鎮静薬などがそうですね。

 

これらを投与する場合には、循環動態に影響が出ていないかということを、バイタルサインの測定で定期的に確認するようにしてください。

 

 

薬剤により、濃度や投与速度によって副作用が起きることがある。

 

メキル酸ガベキサートは、急性膵炎などの際に使用される薬剤です。これは、タンパク質分解酵素の働きを阻害したり、血小板の凝集を抑制する働きがあります。
しかし、投与時の濃度や速度が増えると、血管外漏出が起こりやすく重篤な組織障害を引き起こす可能性があります。他にも、骨格筋弛緩薬、循環器用薬、消化器官薬、抗がん剤などにも副作用や投与法についての注意が必要になります。

 

商品名 一般名(分類) 主な副作用
ネオフィリン アミノフィリン(気管支拡張薬) ショック、不整脈など
タガメット シメチジン(消化性潰瘍治療薬) 不整脈、血圧低下など
アレビアチン フェニトイン(抗てんかん薬) 心停止、血圧低下など

サクシゾン
ソル・コーテフ

コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム
(副腎皮質ステロイド)

心停止など
ソル・メドロール

コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム(副腎皮質ステロイド)

心停止など
アンペック 塩酸モルヒネ(麻薬) 呼吸抑制、心停止など
K.C.L 塩化カリウム(輸液) 不整脈、心停止など
ダラシンS リン酸クリンダマイシン(抗菌薬) 心停止など

 

 

必要なときには、定期交換にもルート交換をする。

 

輸液ルートの交換頻度に関しては、一般的に72時間ごとに行うものだとされています。ですが、以下の場合には、速やかにルートを交換しましょう。

 

  1. 血液の逆流が起こった場合
  2. 薬剤に配合変化が起きた場合
  3. ルートの事故、自己抜去が行われた場合

 

こういった際には、すぐにルート交換をしてください。

 

 

ドレッシング材の交換は、やりすぎない

 

刺入部を固定するドレッシング材は、交換頻度が多いと感染のリスクを高めることになってしまいます。なので、ドレッシング材が剥がれそうなときや水に濡れてしまったり、感染の可能性が出てきたときにのみ、交換をするようにしてください。

 

 

滴下速度が変化していないか常に確認をする。

 

輸液を手動で滴下する場合、高低差を利用して滴下させます。その際に、患者さんの体が動いてしまうと、高低差が変わってしまい、滴下速度が変化してしまう可能性があります。コレを防ぐために、輸液バッグは常に患者さんの心臓の位置よりも高い位置に保つことが出来るようにしてください。このように、滴下状態をしっかりと確認することが重要ですね。

 

 

薬剤が白く濁ったら滴下をストップする。

 

薬剤が白濁化した場合、配合変化の可能性があります。基本的に薬剤は単体で使用するように作られています。その為、他の薬剤と混同して使用すると、化学変化で白濁したり、変色、沈殿、血晶析出などが起きるんですね。

 

配合変化した薬剤は、期待する作用が得られない、副作用が起きる、血栓の発生などの悪影響を及ぼす危険があります。ですから、すぐに滴下を中止するようにしてください。

 

商品名 一般名(分類) 主な内容
ホリゾン注射液 ジアゼパム(睡眠薬) 白濁
ハロマンス デカン酸ハロペリドール

(抗精神病薬)

白濁
メイロン 炭酸水素ナトリウム(中和薬) 白濁
プリンペラン注射液 メトクロプラミド(制吐薬) 白濁・沈殿
ラシックス フロセミド(利尿薬) 白濁・沈殿
ネオフィリン アミノフィリン(気管支拡張薬) 沈殿
カルチコール

グルコン酸カルシウム
(骨・カルシウム代謝薬)

沈殿
静注用マグネゾール 硫酸マグネシウム・ブドウ糖配合

(子宮用剤)

沈殿
ニトログリセリン ニトログリセリン(狭心症治療薬) PCVを使用した器材に吸着
ニトロール 硫酸イソソルビド(狭心症治療薬) PCVを使用した器材に吸着

 



このエントリーをはてなブックマークに追加